2008年9月30日火曜日

石原吉郎

について、同人の谷口哲郎さんがミクシで展開している、前にも記したが。
廿楽さんや森川もコメントをし、かなり混乱しているが、面白い。
ミクシに入っている人はぜひご覧ください。

2008年9月29日月曜日

最近読んだ本から

 「現代詩手帖」の先月号。「安東次男」特集が面白い。
古きよき時代の教養人の感じが出ている。

岩佐なを詩集『幻帖』が面白い。
幻のような話を、実見事の語りでの言葉で、リアルと浮遊感の共存する、不思議な詩の世界が展開すする。
必読の一冊。

2008年9月28日日曜日

詩の賞2

小野十三郎賞 小池昌代『ババ、バサラ、サラバ』 田中郁子『ナナカマドの歌』
花椿賞 奥田春美『カメレオンの時間』(意外すぎる)
地球賞 中村不二夫『コラール』

でした。

何か賞欲しいですね。
廿楽さんや小川さんも何か取るといいですね。

岩佐なをさんの『幻画』は何かとるな。
ここしばらくの詩集ではベスト。

2008年9月27日土曜日

同人活動

27日の西日本新聞の朝刊に松本秀文さんの新作詩篇発表。
廿楽順治さん「現代詩手帖」好評連載中。
伊藤浩子さん「詩と思想」編集も含めて活躍。
谷口哲郎さん共同通信書評担当。
小川三郎さん、森川、「現代詩手帖」10月号に詩を掲載。

今森川にある情報です。
他にありましたらお願いします。

2008年9月25日木曜日

「あんど」9号

あんど出版より「あんど」9号刊行しました。

あんど 第9号  目次
特集 詩は今を問えるか―無をめぐる冒険
座談会 詩は今を問えるか―無をめぐる冒険 
浜田 優・廿楽 順治・湯川 紅実・森川 雅美   
詩   A DAY IN THE LIFE°―だれよりも美しい花であったプイグに捧ぐ 
田中 宏輔                
散文  「無」ではいけないのか 渡辺 玄英   
    悲しめること 斎藤 恵子    
    エレファント・ストーンを手の中に 岸田 将幸   
    (東北道から) 中尾 太一   
    詩よ、ことばにならないで 文月 悠光   
    無を克服するために無に向きあうこと 森川 雅美   
    「虚」への拒否 作田 教子   

作品  毒を作用する 湯川 紅実   
    飛べない時代の言葉から 前田 利夫   
    (陽が差す樹木の陰の) 森川 雅美   
    遠景 作田 教子   
   
        ____________________________________________________________________________________________________                                          

「首都の水名」訂正

 少し前に書いた日記で、三橋聡の詩を手帖の先月号に引用した、と書いてしまいましたが、これは間違いでした。少しぼけてます。これは次の10月号の原稿のことでした。
 ということで、10月号の手帖、読んでください。
 手帖の連載もあと2回です。次回はまた「なつメロ」風に70年代末の詩人・園下勘治に言及しようかと考えています(もっとも、この人のことはよく知らないのですが)。
 で、最後の12月号は今年の詩集について書かなければいけません。少し気が早いですが、今年の詩集でおすすめがあったら教えてください。実は今年、あまり詩集を読んでいないのです。

2008年9月24日水曜日

詩の賞

萩原朔太郎賞 鈴木志郎康さん
晩翠賞 水無田気流さん
歴程賞 北川透さん
新鋭賞 なし
丸山薫賞 新川和江さん

ほかに知りませんか。

2008年9月23日火曜日

私的現代詩入門

谷口さんがミクシで展開しようとしています。
「酒乱」日記でも同時に展開するといいかもしれません。
谷口さんいかがですか。

2008年9月22日月曜日

首都の水名を

 先月の手帖で三橋聡のことを書いた。今から読むと少し古めかしい詩かもしれないし、妙に素直に見えるかもしれない。手帖には、『アルルカンの挨拶』の冒頭の詩篇を引用したけれど、本当はもう少し引用したかった。1977年の発行。当時17歳だったが、その頃読んでいたらもっと夢中になったかもしれない。
 ということで、とりあえず一編引用させてください。青春はこうでなくっちゃ。

首都の水名を
             三橋聡


なぜ僕は水しぶきをあげてまでもあの柵のむこうに行こうと
したのだろうか

その日も父は土を信じてすばらしい恐怖のように汗をおとし
た クレヨンが夕焼けに溶けて僕の瞼に影絵をつくっていた
 上衣はいつものように椅子にかかっていたが、その時すで
に父はいなかったのかも知れない

ひとつの地名だけをその余白にかきこんで夏はもう瞼を閉じ
てしまったよ

収穫にゆれる午後 舟足につらい秋唄をききながら 僕は坂
道をその角度の異和のなかでおりている 不思議に人に出会
っていない そのまま歩くことが唯一の姿勢だったのである
ある時期をすぎると物はその形を失いはじめる 足音だって
美しく散ってゆく

わずかに残された言葉で僕は水を飲んだ からだをひくと 
水面には老いた柵がフォーカスのようにうかびはじめる 僕
は手をふった

それが物語の入口であったとしても

ただ世界をうらがえしたにすぎない土から離れて 今 ゆら
ゆらと海草のように佇ちつくし空をいくあめあしをみつめて
いる青年よ

淀む視界をうってこの首都につけられるべき
水名を記憶せよ

酒乱同人の詩集

昨年末から3冊出ている。
昨年末に廿楽順治『たかくおよぐや』
今年六月に小川三郎『流砂による終身刑』
九月に森川雅美『山越』
みんな思潮社である。
松本秀文さんも予定しているらしい。
来年は「あんど出版」でも詩集を出します。

2008年9月20日土曜日

告知 クロコダイル朗読会

第14回クロコダイル朗読会 劇場ポエジア!
2008-10-05 (日) 12時30会場 13時開演
2000円 開催場所 原宿クロコダイル 渋谷駅より徒歩10分
毎年恒例のクロコダイル朗読会です。
トーク:河津聖恵、田口犬男、奥津ゆかり
朗読:河津聖恵、田口犬男、奥津ゆかり、新井高子、柴田千晶(藤原龍一郎)、渡辺めぐみ、武田朔歩、筏丸けいこ、浜江順子、森川雅美
http://www.music.co.jp/~croco/index2.html
森川は、『山越』の最後の部分を読みます。即興詩もやります。

お時間のある方はお越しいただければ幸いです。

後ろ向きが前向きを含意する場合も

80年代詩を振り返ることが可能になるのは、後ろ向きであるかに見えて前向きの何かが含まれているということが確信されるからですね。それを探す作業だろうと思います。そうでなければ、振り返ることはナンセスということになります。私も振り返るなら年鑑が必要だと思っていました。年鑑はこういうときに有効ですね。いくつか私なりに材料を見つけております。読むしかないと思います。そして空気を思い出せるなら思い出す。具体的な風景が浮かぶならそれをたよりに進む。そして、それらを支えた言葉とそうでない言葉を読み分けなければいけないでしょうね。たくさん読まなければいけないでしょうね。
森川さん、廿楽さん、ここから何か掘り出したいものです。

80年代

 80年代も氷河期ですか。私の印象ではそうでもないのですが…。
 ということで、とりあえずネットの古書店から手帖の年鑑をいくつか(80、81、82、85年の12月号)を購入。これからざっと見ていこうと思います。
 う~ん、なつかしい作品が。どうも昔買ったものをまた買い直している…。奥さんにぶっ飛ばされそうである。
 先日の編集会議で、小川さんが後ろ向きに見るのはやめましょう、というようなことを言っていて、それはその通りなのだが、おっさんはつい後ろ向きになってしまうのである。
(みんな、年取りゃそうなるぜ)。

2008年9月18日木曜日

80年代以降の詩

 80年代以降、詩は氷河期のように不作といわれてきた。
 しかし、はたしてそうか。
 80、90、00の詩とは何か。
 今後酒乱では考えて行きたいと思っています。

2008年9月17日水曜日

80年代の詩さらに

 見直すとずいぶん違いますね。
 「青梅」や「ふ」も80年代で。
 70年、80年、90年に活躍した詩人が重なるように本を出しています。
全体として70年代詩の延長が強い気がします。

2008年9月16日火曜日

80年代の詩?

現代詩の80年代に地殻変動があったのか。
私が覚えているのは、バブルと詩がどのように向き合うかということだった。
それ以外は記憶喪失であるかもしれない。
廿楽さんの詩集選定が楽しみだ。どのような詩が80年代に書かれていたか
「記憶」は反芻する中で「歴史」の綻びと出会えるだろうか。
おそらく68年と80年との距離を私は測るだろうな。
そして、現在との距離か。
その辺で見えてくるものがあれば、シンポで話すことは出てくるだろう。
そうでなければ、明るすぎるバブルと詩の関係だろうか。

「酒乱」編集会議

下記の通り、昨日は「酒乱」編集会議だった。

まだ2号も出ていないのに、3号の特集の話もした。
廿楽さんの日記参照。
1月にはシンポジウムを予定している。
その内容の掲載。
アンソロジーなど。
本格的な特集を予定している。

会議のあとは洋食「アカシア」(だったと思う)で、食事と酒と話。

私はみなと別れ、ゴールデン街二件はしご。

今日は編集会議

 今日は新宿で次号「酒乱」の編集会議だった。メンバーは森川、小川、郡、廿楽。
 掲載順番なども一通り決めて、話題は今後のイベントとその次の号についての話になった。
 イベントのシンポと来年4月発行予定の号の特集は、「80年代詩」について、となった。
 今の世代は、はたして80年代詩をどう見ているのか。そういうことを特集しようというのである。
 わたしはとりあえず、80年代の主要詩集を調べる役目となった。う~ん、けっこう大変かな。
 ということで、会議の後は少し飲んで帰宅。勤め人は明日があるのである。

2008年9月15日月曜日

なんちゃって、朗読3

 昨日の「なんちゃって、朗読」だけれど、単調なのでとりあえずエコーをかけて、2回リピートするように変える。ちょっと気持ち悪い。

http://shurandx.web.fc2.com/dojin_works/tsuzura_guden2.mp3

なんちゃって、朗読2

 もひとつ、おまけ。
 しかし、声音を変えてみるものの、単調であるのはさけられない。やっぱり使えないか…。
 アップしたのは新作の詩「具伝」(次号の「ウルトラ」に掲載されるものです。でも朗読用に一部言葉を換えています)。
http://shurandx.web.fc2.com/dojin_works/tsuzura_guden.mp3
※ダウンロードの仕方:上記のリンクにカーソルを合わせ、右クリックして「対象をファイルに保存する」を選択、任意のフォルダにダウンロードしてください。

なんちゃって、朗読

 少し前に、岩佐なをさんから、『響音遊戯 爪物語』(七月堂)というCDと詩集『狐乃狸草子』(七月堂)を送っていただいた。で、失礼な話だが、今晩、遅まきながら聴いた。
 なかなかよい。
 実は詩の朗読はするのも(一度もしたことないが)、聴くのも苦手で、ちょっと敬遠していたのである。
 でも、これはよかった。かっこいい。朗読する男女の声と音響効果、音楽が合っていて、気持ちいい。
 声、というのも悪くはない。でも、芸能の声のように、異界から響いてくるようでなければ、ほんとうはだめなのではないか。常人とはちがう高音域や声の質をもつ、そういう異界の手続きのためにボイストレーニングというのをするのだろう。
 自分ではそれは無理だが、ソフト的にやってみよう、ということで、新作の詩をPCで音声読み上げ処理してみた。アクセントが茨城型の、聴きようによっては寺山修司みたいな感じの出来になっている。もし朗読をやれ、と言われたらこれでごまかそうかしらん。
 興味のある人は、こちらでダウンロードしてください。
 新作の詩「へこたれる」 
 http://shurandx.web.fc2.com/dojin_works/tsuzura_hekotareru.mp3
※ダウンロードの仕方:上記のリンクにカーソルを合わせ、右クリックして「対象をファイルに保存する」を選択、任意のフォルダにダウンロードしてください。
 

2008年9月14日日曜日

『酒乱』2号

創刊号、シンポジュームなどを経て、いよいよ2号の編集会議が行われたようだ。
創刊号からどのように変わっていくのだろう。
私は個人的には、詩も散文も創刊号から進歩かどうかは不明だが
何かを変えていくことができた。それが他者にうけいれられるかはまた別問題だが。
自分のやれることを今後も絞って書いていきたい。

昭和詩風5

蕎麦

蕎麦ばかり喰うている、
お前はまるでほんに蕎麦のような、
と言いつつ。
江戸の頃は、酒の肴にしたと言うが、
俺は遣らない。
薄口のたれへ死体のように、
お前をつける。濡らしてあげよう、
喰われる前に。
夢うつつ、美しい蕎麦を。

昭和詩風4

水町通り


一番館の陰を巡る、遣るせない歩み方。
なぜ舗道は濡れているのであろう。
居留地の夢を見ている、
その埃っぽい窓は誰か。

インド人商人が泣いている。

給水塔の廻りで、黒い物が揺れていたが、
あれはずっとそこに居る。
わたしの歩み方を視ているのだ、
眼のような石板となって。

《わたしはなぜインド人なのであろう》

2008年9月13日土曜日

昭和詩風3

黄浦江

水にも、それぞれに色があるのだ。
わたしたちの言葉は、通じない。
黄浦江沿いの茶色い眺めにも飽きた。
「おまえは何処から来たか」

水の色が、もうひとつの水を拒んでいる。
黄浦江が終わる辺り、
鏡のように遠くバンドの蜃気楼が、立つ。

その先こそが、わたしたちの水の終わり。
長江が出現すると、

見たこともない、深い灰色が切り込んでくるのだ。

昭和詩風2

東方飯店

かつて東洋一長い、と言われた
東方飯店のバーのカウンター。

上海の夜は暗く、水の匂いがした。
私は、何杯目かの酒を呑む。

「上海カクテルを」
可楽(コーラ)の味がするそれを。

途上とは何んだろう、この旅で。
「Shanghaiされぬように気をつけな」

かつて東洋一長い、と言われた
東方飯店のバーのカウンター。

※戦前の上海では、酔いつぶれた人を拉致して売り飛ばすことをスラングでShanghaiと言った。
(廿楽)

昭和詩風



夕食に秋鮭のカマを食べた。
切り身とともに買い冷凍していた。
切り身はすでに食したが、美味であった。

かまは骨が多く、食べる部分は少ない。
しかし、美味である。
ゼラチン質の目玉、
とろけるようなほほの肉、
歯ごたえのある軟骨。

骨までしゃぶるように食べた。

 先日森川さんのミクシィ日記の文章をすこしいじって、上のような昭和初期の生活詩みたいなものをつくった。けっこう気に入っている。
すこしこの手のものを続けてみようか、という気にもなる。(廿楽)